2013年6月13日木曜日

第2回「グローバル子育て講座」を開催しました

京都市未来まちづくり100人委員会「外国人にとって住みやすいまち・京都」チームでは、地域とつながる子育て家族を主な対象として、全6回の連続講座「グローバル子育て講座」を開催することで、外国籍住民が個性や文化紹介をする機会、一般的な日本人がより広い視野・経験をもとに考える機会を増やし、日本人も外国出身の人も一緒に活気ある地域社会をつくっていく環境を作りたいと活動を始めました。

第2回目となる「グローバル子育て講座」を6月10日(月)、開催しました。

日時: 2013年6月10日(月)10:30-11:30
天気: 晴れ
場所: ほっこりはあと出町
参加者: 9名の一般参加者、19名のママ、15名の乳幼児、4名の委員スタッフ、計47名

Jafore 日本語を母語としない家族のための子育て支援チームが毎月開催する「多言語子育てひろば」と、京都市未来まちづくり100人委員会とのコラボ講座。

ネパール、インドネシア、韓国、中国出身の家族も一緒に集い、総勢47名。一緒に多文化共生について考える回となりました。

はじめに委員の西から、全体の説明、次いで委員の吉永から100人委員会の取り組み、16班「外国人にとって住みやすいまち・京都」についての紹介、委員の西から京都市に住む外国籍住民についてのプレゼンテーションがありました。「多文化共生社会」、「オールドカマー」、「ニューカマー」という用語を聞き慣れていない参加者が多く、一般の日本人が京都に住む外国人について関心を寄せる第一歩となりました。


講師は、中国出身、スウェーデンと日本で出産をし、2人の子ども(5歳と2歳)を京都で育てているZuo Pingさん。「スウェーデンと日本での出産」についてお話しいただきました。
*詳しいお話の内容について、文末にまとめてありますのでご覧ください。

スウェーデン、日本での検診、出産、産後、乳児検診、予防接種などについてお話いただき、どの参加者もとても真剣に聞き入っていました。初乳をあげるタイミングについて、入院期間について、など、参加者自身の体験談を交えながらたくさんの質問がありました。日本、インドネシア、韓国、中国、スウェーデンの妊娠・出産事情についてにも話が広がり、とても活発に情報交換をしました。

ネパール出身のティラクさんにネパール語で1から10までを教えていただく時間もありました。ネパールでいないいないばぁは、「チャイナチャイナチャイナ~」と言うそうです。
最後は英語の『First the Egg』という絵本の読み聞かせがありました。


たくさんの参加者が集い、多文化共生社会について知り考えるきっかけとなり、とても有意義な時間でした。講師を務めてくださったZuo Pingさんからは、「自分の話をすることができてとても嬉しかった。機会(chance)をありがとう。」とコメントいただきました。外国籍住民の活躍できる場があることも、「外国人にとって住みやすいまち・京都」を目指す上で、とても重要なことかもしれません。

次回、第3回「グローバル子育て講座」は以下の通りです。お楽しみに!!
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日時: 625日(火)10:30-11:30(10時開場)
講師: インドネシア出身のAuliaさん
場所: 明倫こども広場 【中京区、元明倫幼稚園(室町通蛸薬師下る)遊戯室】 地図
参加費: 無料   
事前申込: 不要
お問合せ:  吉永(第4期 京都市未来まちづくり100人委員会 委員)
        電話:090-1711-1307 
        Eメール: hatmiu★hotmail.com (★を@に変えてください。)
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【Zuo Pingさんのお話のまとめ】
5歳と2歳のお子さんを持つ中国出身のZuo Pingさんの体験談
ルンド大学病院(スウェーデン南部)と京都大学病院での出産の違い

・ ルンドでは、妊娠が分かると地域の病院にて、担当助産師を決定。出産まで同じ助産師が健診。 日本は男性産婦人科医が多いが、スウェーデンの助産師は全て女性。異常がなければエコーは2回のみ。

・ ルンドでは出産予定日が近づくと両親学級が設定され、出産時の呼吸法や身体をリラックスさせる方法、夫が妻に肩や脚のマッサージをする方法が教えられる。

・ 入院のタイミングは、両方の大学病院で、子宮口が指3本分開いた時。京都大学病院では、分娩までは陣痛室で待機だったが、ルンド大学病院では、初めから設備の整った分娩室へ。夫もそばにいることができ、看護師たちが冷たい飲み物やマッサージを随時提供してくれる。

・ ルンド大学病院では、看護師の提案のもと、痛みを緩和する様々な方法を試した。1)あたたかい風呂に入る。2)大きなボールやベッドの端に様々な姿勢で寄りかかる。3)頭への鍼(はり)。なお、腰への局所麻酔を希望したが、悪影響がでるかもしれないので、却下された。

・ ルンド大学病院では、出産後、3人部屋で過ごした。夫は夜間以外付添い可能だった。母子の健診の後、母子でホテルに移動し、医師の許可を得るまで、2~3日間待機した。ホテルは病院と直結している。京都大学病院では4人部屋で回復するまで過ごし、夫と会えるのは、面会室での限られた時間だけだった。

・ ルンドでは帰宅後、看護師が自宅へ来るように設定されていた。その後、1カ月目は週1回、指定の場所で赤ちゃんの健診を受けた。2ヶ月目は2週間おきに、3~6カ月は毎月健診を受け、そして1歳と1歳半の時にも健診があった。ルンドでは予防接種は、看護師がスケジュール管理してくれて、母親が気にかける必要はなかった。

・ 京都では、産後1カ月以内に看護師が自宅に健診に来た。その後、何かあったときには、自分で病院に行く必要があった。予防接種も、いくつかの集団接種以外は、自己判断で病院に行かなければならない。

・ ルンドでは、全ての妊婦健診、出産、産後健診、予防接種は無料だった。京都では、まず自分で支払い、後で政府に申請して補助金をもらう。所得状況により、補助金額が異なる。


参加者からの質問: 出産後、赤ちゃんに会えたのはいつ?
答え: 赤ちゃんを洗ってすぐ。日本でもそう頼んだ。
・ 韓国で出産の参加者:
すぐに会いたいと頼んだが、3時間後くらいにやっと。スタッフは赤ちゃんが温度や光に慣れる必要があるから、と説明し、すぐの面会を渋っていた。
・ インドネシアで出産の参加者:
7年前の出産時は1晩あけてから対面、5年前の出産時には、病院スタッフをせかして2時間後。現在は、政府やNGOが母乳や母子の愛着のために、すぐに対面することを推奨している。

質問: 病院での食事は?
答え: ルンドでの食事はブッフェ形式だった。

質問: スウェーデンの離乳食は?
答え: 4~6カ月頃から、野菜をすりつぶしたもの。
街では、冬でも離乳食の缶詰から直接与えているのをよく見かける。

質問: スウェーデンでの、子育て支援施設は?
答え: 幼稚園の他にも、ほっこりはあと出町のような乳幼児親子の遊び場が地域毎にある。

質問: スウェーデンの冬は大変では?
2年半滞在したが、ルンドは南部の町なので、そんなに大変ではない。室内はセントラル・ヒーティングで温かい。

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